コラム01 ひきこもり

「引きこもり」の中年男性が関係する事件が続きました。一つは川崎市で登校中の小学生を刃物で襲った50代の引きこもり男性の事件です。もう一つは東京都で元農林水産次官が40代のひきこもりの長男を刺殺した事件です。
ひきこもり対策については、既に平成22年に「子ども若者育成支援推進法」ができていて、行政による相談窓口の設置、保健所等の関係機関のネットワークの整備などが8年間行われてきています。「引きこもり」の定義は「「仕事や学校に行かず、かつ家族以外の人との交流をほとんどせずに、6カ月以上続けて自宅に引きこもっている状態」とされています。
問題は、子ども若者育成支援という法律の名前にもあらわれていますが、行政による支援対象が39歳の若者までで、40歳以上は基本的に除外されていることです。この法律ができた当時は引きこもりは約70万人いるとされていましたが、それから10年たって、引きこもり者も高齢化していることに対応できていないように思います。
引きこもりの原因は、うつや統合失調症などの精神疾患が原因の場合もありますが、職場になじめない、学校になじめない、不登校など悩みやトラブルといった他人との関係、社会的原因が多いと言われています。病気でない場合は薬ではなく、カウンセリングや生活就労支援を行うことになります。行政がNPO法人に人件費、交通費を出して相談活動をしてもらっております。ただ、引きこもりは本来家庭問題だから多額の公費は投入すべきでないとの意見も強くあり、相談活動も予算不足で十分できないようです。
これからの引きこもり対策は対象者の年齢を40歳以上にあげるなど、より本格的効果的な取り組みが行政に求められるのではないでしょうか。(安保嘉博)