判例の小窓 (最近の最高裁判所判例から)



判例の小窓
(最新の最高裁判所の判例と批判)

2012年3月

1.勉強会の発足

 当法律事務所は、本年2月から、元裁判官の井上正明弁護士を中心として、最高裁判所判例勉強会をスタートしました。この勉強会は、最新の最高裁判決の中で重要と思われるものを取り上げ、その結論と理由付けが弁護士、市民の目から見て納得できるものか、参加した所員弁護士と司法修習生が忌憚のない意見を交換しようというものです。


2.最高裁判所判決に興味、関心を

 最高裁判所は、憲法の番人の役割を担っています。そして、最高裁判所の判決は、単に 一裁判所の判決ではなく、「判例」であり、日本全国の地方・家庭・高等裁判所の その後の判決内容を事実上拘束する強い効力を持っています。その役割は法律改正にも匹敵する重いものなのです。

 しかしながら、昨年来、最高裁判決を聞いていてどこか違和感をもつことが重なりました。 その違和感は一体何だったのか。最高裁判所は司法の中核として果たして市民の信に耐えうる存在なのか。私たちはこれまで以上に最高裁判決に注目することで、裁判所の判決や司法全体の改善につなげていきたいと思います。


 

1.敷引特約は有効

2.更新料の特約は有効

3.有効有価証券報告書の虚偽記載と株主の損害(西武鉄道事件)

4.裁判員裁判は憲法に違反しない

5.滋賀県選管委員の月額報酬制度を定めた県条例は有効

6.違法建築を目的とする請負契約が公序良俗に反し無効とされた事例

7.銀行は民事再生手続をとった後の会社の手形取立金を弁済充当できる

8.卒業式等で起立斉唱をしなかった公立学校教職員に対する戒告、減給、
停職処分の効力


9.マンション管理組合役員を中傷する文書の配布等極端な管理妨害行為を
差止める方法


10.トラックのリコール回避と刑事事件(三菱自工事件)

11.仮差押債権が本案訴訟の確定債権と異なる場合の効力

12.検察官の記者発表と金融商品取引法(ライブドア株主損害賠償事件)

13.安全配慮義務違反訴訟における弁護士費用の損害

14.保険料の不払いと消費者契約法10条

15.「正当な理由のない無断欠勤」に当たらない事例

16.被疑者につき、3人を超える弁護人の選任が是認された事例

17.将来の入金を差押えようとする預金債権差押申立の適否

18.債権差押え後に生じた債権と債務の混同

19.前科の類似犯行と本件犯行の立証

20.更新のない定期借家契約締結前の説明の書面

21.債務整理開始通知後の弁済と、破産法上の否認権の行使

22.定年後にも、再雇用と同様の雇用関係の存続が認められた事例

23.将来給付請求訴訟の適法性

24.新薬事法施行規則(厚生労働省令)のうち、一般医薬品(大衆薬)のネット販売を一律に禁止した部分は無効である

25.裁判員を選任する手続は、特定の候補者の不選任請求却下決定に対する異議申立てによっては、停止されない

26.面会交流の拒否につき、間接強制として金銭の支払いを命じることの可否

27.水俣病の認定に関する行政訴訟の判断手法

28.金銭債権の一部請求訴訟の提起と、残部の消滅時効の中断

29.建物所有者の設置、保存の瑕疵責任

30.非嫡出子の相続分は嫡出子と同じ